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Roberto Bonini

(ロベルト・ボニーニ)

トスカーナのオリーブ畑の広がる緑豊かな場所に
住居兼工房を構える
Roberto Bonini(ロベルト・ボニーニ)。
 
陶芸作家であり画家でもあるロベルトは
トスカーナの豊かな自然をキャンバスのように陶器に描いたり、
動植物などをテーマにしたかわいらしい陶器雑貨を製作しています。
ロベルトは長年の間
油絵の画家として活躍していました。
 
そして、2000年から家族と共に
地元フィレンツェの土地から採取できる粘土を使用した
陶芸の作品作りを開始。
日本の焼き物の釉(やく)の影響を受けたロベルトは、
自身の作品に釉薬のテクニックを取り入れつつ
油絵画家の技術やセンスを組み合わせることで、
彼特有の世界観を見事に表現しています。
そして、ロベルトの制作活動を支える重要なパートナーとして
いつも傍に娘のサラがいます。
 
サラの女性らしい目線で作られる陶器のネックスレスは、
特に人気のアイテムです。
型押しされた立体的な模様が、
なんとも言えない陰影を作り出し
その凹凸によってできた釉薬の濃淡のおかげで光沢に動きが生まれ、
見る角度によって青色にも赤色にも光って見えます。
イタリアは世界でも職人が多く、その技術を大切にしている国。
それをブランド化して世界で成功を収めている企業もたくさんあります。
 
しかし、
実際は成功して豊かな生活を送る事のできる
職人さんは、ほんのごく一部。
 
大抵の作家さんや職人さん達は
素朴で、慎ましやかに生活しています。
 
そして、実際に出会った職人さん達を見る限りだと
あえてそのような生活を自ら選んでいるようにも思えました。
 
ロベルトの作品のテーマに共通するものは、
地元の自然豊かな景色や農村での生活風景。
 
「私は自身の制作活動を通じて
この土地の魅力と代々受けつかれてきた文化や歴史を
人々に伝えていきたいのです」
 
基本的にフィレンツェ近郊で行われる
各イベントのみで販売を行うロベルト達。
 
大量生産はせず、
自分達のペースで自分たちの納得したものだけを
1つ1つ制作しています。
 
目先の利益や事業の拡大よりも、
地元に対する愛や伝統を重んじる心。
 
そんな彼らと接していると
何が一番大切な事かを気付かされます。
心と身体が満たされているからこそ、
人々の記憶に残るような
素晴らしい作品ができるのだと思います。
 
ロベルトとサラ親子はまさに、
トスカーナの典型的な
素朴で真面目で自由で
そして、明るい職人なのだと感じます。
 
心から楽しんで情熱を込めて作っているという事が、
言葉では表現できないキラキラした魅力となって
彼らの作品からあふれています。
 

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